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2017年4月15日 (土) 22:18時点における版
サド
加虐嗜好、相手に精神的肉体的苦痛を与えなければ性的満足に到達できない性向(sadism…サディズム)の略。また、そういう性向を持つ人(サディスト(sadist。仏語ではsadiste))の略称でもある。
上記は、現在の精神医学での厳密な定義であり、「相手に精神的肉体的苦痛を与え」ることを好んでも「その行為を経なければ性的満足に到達できない」わけではない性向は、現在は必ずしも、「異常性欲」とはされていない。
こうした精神医学の動向と、どこまで関係しているかは不明だが、「相手に精神的肉体的苦痛を与えることで性的満足を得る」というほどでなく、いぢめっこ的な言動を繰り返すようなタイプの人を「サド」と称することもある。
語源はフランスの作家マルキ・ド・サド。彼は嗜虐性向の強い小説を発表したり、実際にSM行為を行っていた。
作品としては『ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』、『ジュリエット、あるいは悪徳の栄え』、『ソドム百二十日』等が有名。
なお、彼はかのバスチーユ監獄に投獄され(てなお隠れて執筆を続け)たことでも有名である。
関連する用語
- マゾ
- 対義語で、被虐嗜好の持ち主のこと。(サディストに取って)苦痛を受け取る権利も無い、唾棄すべき対象。
- サドマゾ
- 対義語を一括した表現。あるいは、サディズム行為とマゾヒズム行為が組み合わさった性的行為も指す。略してSM。ちなみに、その筋の人々の間では「SM」の語は好まれないらしい。「躾」「調教」「discipline」などと呼ばれるとか。
- リバーシブル
- サドとマゾ両方の嗜好を併せ持つこと。最近は、「リバーシブル」のことを「サドマゾ」と言うこともあるらしい。
- サディスト
- 解説本文にあるように、サディズムの性向を持つ人をさすが、資料類によるなら、その筋の人々の間では、もっぱら男性を指し、女性は「サディスティン」と呼ばれるらしい。
また、しばしばSM関係においては、御主人様、マスター、ミストレス(女主人)、女王様、などなどと称されるそうだ。いずれも「支配と従属」関係の「支配者」の位置を意味すると言われる。
ちなみに、サディスティンに対する尊称としては「ドミナ」もある。「ドミナティズム」と言うと、「女性支配のサディズムのかなり重厚な振る舞い、または関係」といったニュアンスらしい。 - サドデレ
- 加虐嗜好の持ち主が恋愛対象にデレデレな様子
関連する商品
資料
小説
- 円環少女
- ヒロインの鴉木メイゼルが加虐嗜好の持ち主。好意を持った対象に向けられ、特に主人公の武原仁に対しては「屈服させたげる」などの危険発言が行われる。
- デイビッド.L.リンジー、著、山本光伸、訳『悪魔が目をとじるまで』
bk1 - 悪魔が目をとじるまで(上巻,新潮文庫版)
bk1 - 悪魔が目をとじるまで(下巻,新潮文庫版)
この小説は、キャッチ・コピー的には「サイコ・ミステリー」とかになるのだろうか? 警察小説と思っても楽しんで読める。
「サド」の項で挙げるのは、SMセックスの果てに殺害された女性変死体の捜査を巡るストーリーだから。ミステリー作品のネタバレは不躾だろうけど、被害者が殺害される場面は、全編の頭で、承前的に描かれてます。
主人公は、ヒューストン警察殺人課の女性刑事。主人公と協力しあう重要キャラクターに、FBIから派遣されたプロファイラーが出てくる。と、設定をかいつまむと、まるで、T.ハリスの『レッド・ドラゴン』みたいだね。とんでもない、全然別の小説で、甲乙などつけられません。
と言うわけで、『悪魔が目をとじるまで』の犯人は、サディストであるのかもしれない、そうではないかもしれない。「サド」とか「SM」とかの紋切り型のイメージや、符丁、精神医学的な定義などなどから「だけ」では、なかなか犯人像がイメージを結べない物語の錯綜が楽しめます。例えば、主人公の推理と、FBIのプロファイラーの捜査方針が食い違っていくあたりとか、おもしろいです。
その他
愛を語る
- 白木屋
- 小説等に登場するサドッ気のあるキャラの言動にたいし「ドキドキする」か「ワクワクする」かで、自分がサドかマゾかが判別できたりします。ちなみに私は後者です。「うひ」とか「くふふふふ」なんて笑っていたりすると末期的です。ご注意ください。