おおきく振りかぶって 7巻

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おおきく振りかぶって』7巻(アフタヌーンKC

ひぐちアサ

『おおきく振りかぶって』7巻は、アフタヌーンKCから刊行されている軽装版マンガ(コミックス本)。ひぐちアサ著の、高校野球を題材にした作品。

7巻では、5巻6巻に続き、高校野球、夏の埼玉大会の2回戦、桐青高校対西浦の試合が描かれる。西浦先攻の試合は、7巻を通して7回の裏から8回の表終了時点までが描かれる。

  • 『おおきく振りかぶって』アフタヌーンKC版 第7巻は、2007年刊行。
  • 採録エピソードは、雑誌月刊「アフタヌーン」2005年11月号〜2006年10月号掲載分がメイン。
    • 第14回「逆転!」
    • おまけ
      著者による高野球ミニ解説集
    • 巻末に1見開(2頁)の「次巻予告」も
    • その他=カバーを外すと、表1と表4に、おまけマンガ「ある夏の日のマネジ」が刷られてるらしい(あらゆる刷で共通かは不明)

用語や登場人物

西浦・桐青戦
西浦・桐青戦は、西浦野球部の夏の高校野球埼玉大会初戦。この年、正式な活動をはじめたばかりの新生西浦野球部にとり、初の公式戦でもあった。一方、対戦相手の桐青は、昨年夏、甲子園に進んだ強豪校。新設西浦にもレギュラー選手でスタメンを固めてきたが。
4巻、巻末で球場入りした西浦チーム、5巻冒頭で試合前の練習風景から描かれだした試合は、西浦先行の3回の表終了時点で、1対0。西浦は大方の予想外の先取点を獲った。
6巻では、桐青の投手高瀬も本来の調子を取り戻し、桐青打線も反抗に出た。6回の桐青は2点めを返し、2対2に同点に。

第14回「逆転!」

ARC学園高校
作中の埼玉県で、野球では県下一と言われている強豪高校。
7巻冒頭では、西浦・桐青戦とは別球場(県営大宮球場)での試合を、25対0のコールドで勝ち、着替えた部員たちが引き上げつつある様子が描かれる。そこに場内アナウンスが他球場の試合状況を報じ、西浦・桐青戦の進展も、6回の裏終了時点で2対2と知らされる。
武蔵野第一高校
野球部は、作中の埼玉県で、前年の秋大会から躍進。春季県大会ではARC学園高校に負けたもののベスト8入り。夏の県大会ではCシードに。
7巻冒頭では、ARC学園の短い描写に続き、さらに別球場で試合開始直前の部員たちの様子が描かれる。正投手ではないが、2年で主力投手の榛名元希は、控え捕手の秋丸恭平から、西浦が桐青を同点の試合を続けている、と聞かされる。夏大会の抽選会場で、三橋と合い、正投手と聞いていた榛名は、意外に思う。
西浦野球部
1年生の部員10人と、やはり1年の女子マネジ1名でスタートした西浦高の新生硬式野球部。以前は軟式野球部があったが、数年間活動は休止していた。若き女監督モモカン(百枝まりあ)は、軟式時代のOG。
桐青高校野球部
野球の強豪校らしく部員数が多い。ベンチに入りきらないユニフォーム姿の部員たちが、スタンドで何列にも並び、踊り付きの応援を演じる。桐青高校は、キリスト教系の私立中高一貫校。春季県大会で勝ち進んでBシードに入っていた。
三橋廉
西裏野球部の正投手。7回の裏、ピッチャーズマウンドに立つ三橋は、同点のスコアボードを見て“勝ってないけど負けてない”と、高いテンションを維持している。
  • 高いテンションを維持して試合を続けてきた三橋は、7回の裏終了時、審判団がおそらく雨天コールドを審議している間に、球場施設のシャワーをユニフォームの上から浴びる。それを観て心配した阿部は、三橋の手を握り、弱まっている握力に驚く。そこに勝手に侵入してきたのは、三橋の従兄弟、瑠理。瑠理は、弟からの携帯メールで、叶が登板した三星が、群馬の県大会で試合に勝った、と知らせに来たのだった。
    球場職員に見咎められ、関係者ではない瑠理は「ゴメンナサイ〜〜」と逃げ出すが、知らせを聞いた三橋は、気力と体力を盛り返す。そこに、試合再開の知らせが届く。
  • 8回の表、三橋は、水谷のバッティングで巣山が同点に返したところで、西浦6番めの打席に。状況は、二死一塁だがスリーアウト、チェンジに。
高瀬準太
桐青高野球部員。2年生の正投手。対西浦戦での打順は7番。
高瀬は、7回の裏の桐青最初の打席で、この時点のチームの戦術通り、カーブ狙いに。しかし、三橋の「まっすぐ」をカットに行ったところで、球筋に惑わされ空振り。三振にとられる。この三振で、三橋は累計、奪10三振に。
  • 8回の裏、桐青4番めの打席に立つ高瀬は、前打席の本山に続き、バントの構えからバスター。一塁に進塁。
阿部隆也
西裏野球部の正捕手。対桐青戦での打順は9番。
阿部は、7回の高瀬の打席から、桐青が狙い球をカーブから変更したかもと勘ぐる。そして次打席に山ノ井に対して、探りのため外に大きく外すカーブを要求するが。
山ノ井圭輔
桐青高校野球部員。学年は未詳(おそらく3年)。対西浦戦では、センター、打順は8番。
山ノ井は7回の裏、桐青2番めの打席に立つ(前打席は高瀬)。チームの戦術通りカーブ狙いの山ノ井は、外に大きく外したカーブに当てるが、大きく流れて一塁に進塁。
  • 8回の裏、桐青5番めの打席に立つ山ノ井は、一死、一、三塁の状況でバントの構え。三度バスターを打つが、バック・ホームした走者はアウトに。
前川俊彦
桐青高校野球部員。学年は未詳。対西浦戦では、ライト、打順は9番。
7回の裏、桐青3番めの打席に立つ前川は、1死一塁の状況で、送りバントの構え。阿部は、前打席、三橋の「まっすぐ」を綺麗にヒットした前川を警戒。あえてバントしやすい球を要求し、前川は一塁でアウトに。
  • 8回の裏、桐青6番めの打席に立つ前川は、カーブ狙いの作戦にこだわり、まっすぐに惑わされ凡退。8回の裏が終える。
真柴迅
桐青高野球部部員。対西浦戦で、ただ1人スタメンに選ばれた1年生。サードで打順は1番。
7回の裏、桐青4番めの打席に立つ真柴は、臭いカーブを打たされるが、ファールかと思われた打球がフェアになり一塁に進塁。状況は2死一、三塁に。
松永雅也
桐青高野球部の3年。対西浦戦では、レフトで打順2番。
松永は7回の裏、桐青5番めの打席に立つ。三橋は、折から強まった雨で足場を崩し、初級をワイルドピッチ。阿部も捕球しそこなたところに、三塁から戻った山ノ井が3点めを奪い逆転。
この後、西浦バッテリーは敬遠策をとり、松永は一塁へ。
島崎慎吾
桐青高校3年生。背番号4。対西浦戦では、セカンドで打順は3番。
7回の裏、松永の打席にプレイがかかる前、ネクストサークルで、島崎は主将の河合から三橋の「まっすぐ」の球筋がおかしいと示唆され「見てみっから!」と応える。
  • 島崎は、三橋の球筋を見極めようと、はじめ2球のシュートをカット。3球めの、速い「まっすぐ」を見送り、4球め5球めの、速い「まっすぐ」を空振りしてスリーアウトに。
  • 島崎は打席の後、河合に三橋の「まっすぐ」のことを、次のように報告。「投手のモーションに合わせると120だと思ってもおよぐな/およぐんだけどバットより速くベース上を通過していくカンジだった」。
三橋瑠理
西浦の正投手、三橋廉の従兄弟。7回の裏、三橋の敬遠をスタンドで見る瑠理は、コントロールだけはいい三橋のフォアボールに、不安感を抱く(実は敬遠策)。そこで瑠理の携帯がなる。
  • 携帯は、群馬の球場に三星の応援に行った瑠理の弟からだったらしい。瑠理は、三橋に三星の勝利を伝えようと、球場のバックヤードに勝手に入り込む。
モモカン(百枝まりあ)
西裏野球部の若き女監督、23歳。「モモカン」は、西浦部員たちが呼ぶ、あだ名。
7回の裏は、島崎の三振で終わったが、島崎最後のスイングは折から強くなった雨でバットがすっぽ抜けてしまっていた。審判が集まるのをみて、雨天コールドを懸念。“桐青にここまで1点差なんだよ/お願い!/最後までやらせて!”と思うモモカン。
河合和己
桐青高校3年。野球部主将で正捕手。対西浦戦では、打順5番。
7回の裏終了後、島崎から三橋の「まっすぐ」についての報告を聞いた河合は、おそらく「まっすぐ」が西浦バッテリーの決め球だ、との確信を強めるが……。試合再開の知らせを受け、選手たちに「あと2回だ/勝ち越したからって気をぬくなよ/しめてくぞ!!」と号令をかける。
  • 8回の裏、桐青2番めの打席に立つ河合は、前打席(青木)での阿部の配球を観て、西浦バッテリーの決め球はやはり「まっすぐ」と予測。まっすぐに絞ってきた河合の素振りを観て、すかさずカーブを要求する阿部だが、河合は体勢を崩しながらもこれをヒット。一塁に進塁。まっすぐの球筋を見極めたわけではないが、“結果的に打ったから俺の勝ちだぜ!”と、思う。
    • 3番目の打者(本山)のバスターで二塁に進塁する河合は、4番目の打者(高瀬)が続けるバスターで、三塁を蹴りホームへ、阿部のブロックを跳ね飛ばし、追加点を入れる。
巣山尚治
西浦の野球部員。対桐青戦では、ショート。打順は3番。
8回の表、西浦最初の打席に立つ巣山は、打ち上げてしまうが、たまたま野手のお見合いになり進塁。
田島悠一郎
西浦の野球部員。対桐青戦では、ショート。打順は4番。
8回の表、西浦2番めの打席に立つ田島は、捕手の河合に警戒される中、ファールを打ちながら粘るが、高瀬の決め球シンカーでアウトにとられる。中学時代、1試合かけて攻略できない球はなかったという実績を自負していた田島は、“これが高校野球のレベルなのか!!!”との思いをかみ締める。8回の表が、この試合で自分にとって最後の打席と思ってしまう田島だが、少し後、ベンチで、チームメイトにもう1回回してやる、と声をかけられ元気を出す。
花井梓
西浦の野球部員で主将。対桐青戦では、ライト。打順は5番。
8回の表、西浦3番めの打席に立つ花井は、ボール・フォアで一塁に進塁。あるいは、ピッチャーの高瀬は、巣山の二塁盗塁成功に、調子を崩したのかもしれない。
花井は、出塁後も、高瀬のフォームを見切っている田島の指示で二塁盗塁成功。一死、二、三塁になるが。
桐青の監督
名前は未詳。
8回の表、桐青の監督は、西浦側の盗塁策の不自然な進め方についての些細な疑念から、桐青のピッチャー高瀬のフォームを見切っているのは、田島だけだと気づく。
沖一利
西浦の野球部員。対桐青戦では、ファースト。打順は6番。
8回の表、西浦4番めの打席に立つ沖は、桐青側が取る満塁策で出塁。一死、満塁に。
水谷文貴
西浦の野球部員。対桐青戦では、レフト。打順は7番。
8回の表、西浦5番めの打席に立つ水谷は、ゲッツー狙いで投げられたスライダーを打つ。普通なら、ゲッツーにとられるところを、雨でぬかるんだフィールドが幸い。巣山がバックホームして同点に。勝ち越しを狙った花井はホームで刺され、二死になるが、水谷自身は一塁に。
青木毅彦
桐青高野球部の2年。対西浦戦では、ショートで打順4番。
8回の裏、桐青最初の打席に立つ青木は、「まっすぐ」主体に切り替える阿部の配球を読みきれず、決め球を変化球と予想し、4球ストレートでアウトに。
本山裕史
桐青高野球部3年生。対西浦戦では、ファースト、打順は6番。
  • 8回の裏、桐青3番めの打席に立つ本山は、バントの構えからバスター。河合も一塁から二塁へヒットエンドランで、一死、一、二塁に。
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