「“『俺とあいつ』 / 久志”講評」の版間の差分

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お題『[[寝込んでいるところに彼女がおかゆを作りに]]』に寄せられた作品についての講評です。
 
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2017年4月16日 (日) 04:33時点における最新版

お題『寝込んでいるところに彼女がおかゆを作りに』に寄せられた作品についての講評です。

該当作品

講評

[ENO] さて、次は「俺とアイツ」です
[Kannna] 『俺とあいつ』(久志さん)>http://www.cre.ne.jp/writing/ML/log/0/82.html
[Kannna] #久志さん(Hisasiさん)のプロフィールは、こちらです。>http://hiki.cre.jp/write/?Hisasi
[Hisasi]
[Hisasi] よろしくお願いします
[ENO] 実に初々しくてよろしい(w
[miburo] >玄関に立っていたのは白コートに〜
[Kannna] #今回、久志さんの参加作は、導入部がみんな、あえて同じなんですよね。
[miburo] この登場シーン好きです。
[ENO] ただ、前半の情報が少々ウザイ
[Hisasi] ふむ
[miburo] #わっちもノシ
[ENO] 熱が出ていて、玄関のチャイムにむかついている、という描写がいくつある?
[ENO] 「ああ、ベッドからでたくないなあ」というのはイヤになるほど伝えているから、きっと
[Hisasi] ふむう
[ENO] このあたりのネタが何かにからむのかな? と先読みをしてしまった(w
[Hisasi] ここらを綺麗に研いでいくのが
[Hisasi] これからの課題かなあ
[ENO] 単に「うるせえなあ、俺は熱があるんだ、玄関まで行きたくないよ」という情報を読者に示す。ということだけに何行つかってる?(w
[ENO] 読者の興味はどこにあるかといえば「一体誰が来たんだろう?」という部分だと俺は思うのだ
[Hisasi] はい
[AKAgane] ううむ。
[ENO] その興味に答えないで、全然違うことを何行にも渡って書かれたら、読者は読むのをやめるか、もしくは俺のように深読みをしだすのだ(w
[AKAgane] こいつは考えてみれば、サプライズがあるのは、主人公じゃなくて、目の前で風邪ひいた幼なじみがぶっ倒れた、女の子の側だよな。
[ENO] 二つのサプライズですね
[AKAgane] よって、女の子視点だと、描写も刈り込めて、かつ読者と女の子の視点や興味も
[AKAgane] 合致するやも
[miburo] なるほどー
[ENO] そうですな、女の子側から見て書くと、これは面白いかもしれない
[Hisasi] なるほど
[AKAgane] 「やれやれ、なんであたしがー」ピンポーン……なかなか出てこない「おいおい、大丈夫かー?」
[AKAgane] で、出てくるなり、ぶっ倒れる。
[AKAgane] うわーどうしよー
[ENO] 「し、死んだ!」
[ENO] 「もしかして、風邪じゃなくて、新型インフルエンザ?」
[AKAgane] タイトルは『あいつとアタシ』で
[ENO] 「こういうときは落ち着かなくちゃ。そうよ、冷静になって、どうすればいいのか考えなくちゃ、えーと、伝染病のときってどうするんだっけ……確か世界史の授業でペスト患者の家を焼き払って、伝染を食い止めたって教わったわよね……」
[AKAgane] 焼き払えー
[shirakiya] 薙ぎ払えー
[Hisasi] ひええ
[ENO] とまあ、キャラを変えるととんでもない話しになる(w
[V-zEn] どこのクシャナ殿下w
[ENO] 今のままだとすると、やはり情報の配分だろうな
[AKAgane] うみ。キャラとか、その関係とか、掛け合い部分そのものとか
[AKAgane] そのへんは問題ない、というか面白いですよい
[Hisasi] 一人称だとなかなか難しいなあ
[AKAgane] ただ、リズム的にはねー
[AKAgane] つながんないんだよ
[ENO] 彼女の名前とか、クラスメートとか、気のおけない存在とか、そういった情報が突然飛び込んでくるのが
[ENO] ちょっとリズムを崩しているな、この情報は入れなくても、充分通じると思うのだが
[AKAgane] 序盤のダルいとか面倒だとか、動きたくねぇ、誰だよー、という主人公のあれこれの思いが
[AKAgane] 扉をあけて幼なじみがいるとたん、ぶちっと、途切れる
[Hisasi] ばた
[ENO] 読者が、そういった情報を類推できるような単語をセリフの中に入れる、という方法で、こういった情報を読者に伝えることができるはずだよ
[Hisasi] ふむふむ
[AKAgane] いや、マジで最初の一行の後。「風邪でだるいなか、ずるずると足をひきずって扉を開けた」で、「ドアを開けたら、見慣れた顔が飛び込んできた。」とつながってもまるで問題なしなんだなー
[ENO] 今のままだって、「宿題」は持ってきてるし、わざわざ学校帰りに立ち寄っているわけだし
[ENO] この、彼女の名前以下の三行にわたって書かれた情報はすべてそれ以外の場所に書かれているのだな
[Hisasi] ふむ
[ENO] あらためて、ここで三行使う理由が無いんだよ、試しに削って読んでみたけど、実にすっきりする
[Hisasi] なるほど
[ENO] 情報の提示の仕方、そしてリズム
[ENO] これが気になるというのは、要するに会話のテンポとか、キャラの立て方とかには、文句が無いからなんだ
[Hisasi] おお
[ENO] なんというか、書いていて不安になっちゃうんだろうなあ(w
[ENO] この情報が伝わっているのかどうなのか
[Hisasi] こんな風でこんな子でとか
[Hisasi] 会話の間に何かをつめないといけないような
[ENO] そうそう、でも、それは濃いペンキをべたっと塗るように描いてはいけないんだ
[ENO] カラーインクのような透明感のある情報を、薄く塗り重ねて深みを出す
[ENO] 描写する言葉の選択は、いいんだよ
[Hisasi] 出し方を
[Hisasi] じわじわと
[ENO] 彼女が玄関先に立っているところなんか、目に浮かぶもの
[Hisasi] マフラーとミニスカート
[ENO] すっと、イメージが伝わってくるような、透明感のある言葉が並んでる
[ENO] でも、不安だからその上からペンキで塗っちゃうんだな(w
[ENO] よりしっかりと伝えるために(w
[Hisasi] ううむ
[miburo] まあこれのせいで、久志さんの話がわかりやすいのも確かではあるんだw
[ENO]  玄関に立っていたのは白コートにマフラーに半分顔を埋め、いかにも寒そうなミニスカート姿のクラスメイト
[ENO] ここで、すでに女の子のクラスメイトという情報と、その前のセリフで名前が西野ということも伝わっているのだ
[Hisasi] はい
[ENO] その後のやり取りを読んだ読者の興味はどこに行くと思う?
[Hisasi] 二人のやりとりかなあ、、
[ENO] 読者が知りたがっている情報ではない、情報を書かれると、読者の興味のリズムが途切れるんだ
[ENO] それほど目障りになるわけではない、だが、これは短編だ
[ENO] 長編とか、入り組んだ物語構造を持つ話なら、作者が情報を整理するために、こういう感じで、客観情報を書き込むことはよくある
[ENO] つまり、その情報が、この先重要な役割を果たす、という場合なんかに
[ENO] わざとリズムを崩して、引っ掛かりを作る、という目的で、こういった客観情報をかくことはある
[ENO] あとは、読者初心者向けの作品の場合だな
[Hisasi] ふむふむ
[ENO] つまり情報を読み取って類推する能力が育ってない人に向けて、でっかく看板を書いて掲げるという方法だ
[ENO] 赤い花は「赤い花」と書かないと読み取れない人のためには、しっかり「赤い花が咲いていた」と書かなくちゃならないのだな
[ENO] だから、俺の感じている違和感は、実は読者初心者にとっては必要なものであることも事実なんだ
[AKAgane] ですね
[AKAgane] 私は、そこらへんを特に欠点だとは認識しませんでした
[AKAgane] 情報の重複も、この程度なら許容範囲でしょう
[ENO] 私は「サクサク読ませる」ことが最適化だと思っていますので、その辺については、ちょっとこだわってしまうのですな(w
[ENO] でもまあ、その物語で「何を語るか」ということでして、複雑で膨大な情報量を読ませるためには、私のような最適化が必要かもしれませんが
[ENO] そうでない場合には、それほどの最適化は必要無いのだと思います(w
[Hisasi] ふむむ
[miburo] 語り部のエピソードとしては、テンポいい会話とベタ塗りト書きがわかりやすくていいと思いますよ。
[ENO] この話は、実に初々しくていいというのが、読後感であり、きっと、この後、この彼女はおかゆの鍋でヤケドするに違いない、とか
[Hisasi] しそうだなあ、、
[ENO] そういった「この先が想像できる」というのは、つまりはキャラが立っているからなのだな
[miburo] 「バカッ、すぐ冷やせよ!」そう言って手をとって水道を流し、手を握りっぱなしということにふと気づく。うつむいている西崎。そして流れ続ける水道の音。
[ENO] いきなり訪れた「擬似夫婦」というシチュエーションに、この二人が戸惑いつつ、どう反応するのか
[ENO] 実に興味がある(w
[Hisasi] 鍋がどこにあるだのお米どこーとか
[Hisasi] 結局俺が作ったほうがはやくねえ?
[Hisasi] みたいな
[ENO] 「いいからあんたは寝てなさい」「お前がお米の場所を聞いたんだろうが!」
[ENO] このむずがゆい感覚を読者に味あわせることができれば、合格(w
[Hisasi] 「おかわりあるからね、しっかり食べて治さなきゃだめなんだからね」「ああ、おかわりはいい」「しっかりたべないと!遠慮しないでおかわりしてもいいんだよ!」「……つーか、なんでそうおかわりにこだわるんだよ」
[Hisasi] そして三人前のおかゆがまだたっぷりと鍋に
[miburo] 水が多いから米を足し米が多いから以下略
[ENO] お米がおかゆになると分量が増えるという事を知らないと、とんでもないことになるからなあ
[V-zEn] 「おかわりしないのね?」「しないよ」「ほんとーに、ほんとーにしないのね?」「しないって」「じゃ、残りはあたしが食べる!」「全部?」「全部!」
[ENO] それは親子丼の彼女だな(w
[miburo] 一人分って一合だよね
[V-zEn] ちょっと借りてみましたw
[V-zEn] 水と米の割合によって変わりますが、おかゆは本当に
[V-zEn] 増えます。
[V-zEn] 米の吸水性はガチ。
[ENO] というわけで、これはおかゆ競作の趣旨をしっかりクリアしてますので77点を差し上げます
[V-zEn] #糊化の分も含む
[Hisasi] わー
[V-zEn] ラッキーナンバー
[Hisasi] いい点数だ!
[miburo] いーなー
[ENO] むずがゆさで点を稼いだと言うかなんと言うか、このあとナンボでも話が膨らむだけのキャラ立ちをしてます
[ENO] いわゆる「お約束」を使いこなす、という点でポイントが高いのです
[V-zEn] むずむずw
[ENO] 素直に直球で来たから、思ったより点が高かったのかもしれない(w
[ENO] ……男じゃないし(w
[V-zEn]
[miburo] まっすぐをストライクゾーンに放れれば、とりあえず話になりますもんねw

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