「おおきく振りかぶって 9巻」の版間の差分

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おおきく振りかぶって』9巻(アフタヌーンKC

ひぐちアサ

『おおきく振りかぶって』9巻は、アフタヌーンKCから刊行されている軽装版マンガ(コミックス本)。ひぐちアサ著の、高校野球を題材にした作品。

9巻では、高校野球、夏の埼玉大会3回戦に進む西浦野球部が、埼玉高校との試合に挑む。試合前の阿部の提案で西浦はコールド勝ちを狙うべく、戦略を練り、対埼玉向けの練習をこなす。
一方、美丞大狭山高校野球部のコーチ仲沢呂佳は、桐青を破った西浦をダークホースとして注目。着々と西浦の情報を集めていた。

  • 『おおきく振りかぶって』アフタヌーンKC版 第9巻は、2007年刊行。
  • 採録エピソードは、雑誌月刊「アフタヌーン」2006年5月号〜2006年8月号掲載分がメイン。
    • 第17回「次は!?」
    • 第18回「3回戦」
    • 巻末に1頁の「次巻予告」も
    • その他=カバーを外すと、表1と表4に、おまけマンガ「ある夏の日のマネジと選手達」が刷られてるらしい(あらゆる刷で共通かは不明)

用語や登場人物

第17回「次は!?」

2回戦の対桐青戦に5対4の接戦で勝った西浦。3回戦の対埼玉戦は、1週間後の予定だ。

仲沢呂佳
桐青高野球部OBで、今は、美丞大狭山高校野球部のコーチをしている。桐青高野球部1年生の仲沢利央の兄。エピソード第16回(8巻)末尾のエピローグ風な場面で、弟の利央に桐青野球部から西浦との対戦データを持ち出すよう命じた。
エピソード第17回で、仲沢呂佳は、桐青野球部の主将だった河合和己を、夜のファミレスに呼び出す。西浦野球部をダークホースと認める呂佳は、実際に試合をした河合から、話を訊きだしていく。
呂佳が桐青高野球部の3年生部員だった夏、ベンチ入りし地区大会1回戦でチームが敗退した(当時河合は1年生)。このことは、河合の回想で描かれる。
河合和己
桐青学園3年生。野球部元主将。野球部が、夏の県大会初戦2回戦(シード校だったため)で西浦に敗退した後、部活を引退している。
仲沢呂佳に夜のファミレスに呼び出される河合は、「呂佳さんには世話ンなった分返したい」と、西浦チームの野球について、試合で体験したこと、試合後に分析したことなどを、問われるままに語って聞かせる。ただ、「もー一回やるとしたらどこ攻める」と言う質問だけは、「呂佳さんと同じ考えだと思いますよ」と、はぐらかす。
滝井朋也
美丞大狭山高校野球部の今の監督。
ファミレスで仲沢呂佳への情報提供を終えた後の河合和己が、「監督さんは元気ですか?」と、話題にのぼる。
篠岡千代
西浦高1年、野球部の女子マネジ(マネージャー)。
篠岡は、球技大会の日、同学年の、友井紋乃、小川美亜に声をかけられ、野球部応援団でチアガールをやりたいんだけど、と相談される。やりたいのは有志の2人だけで、2人が属すサークルで応援をするわけではない「2人ばかしで踊ってもいいのかな」という相談に、「私はチアガール好きだよ/きっとみんなも好きだと思うな」と、千代。
友井紋乃
西浦高1年、学校にいくつかあるダンス・サークルの1つ、“COPERNICUS”のメンバー。同じサークルの小川美亜と野球部の応援でチアガールをやろうと思いつき、篠岡に打診してくる。
  • エピソード第18回「3回戦」時点では、小川美亜と共に応援団に加わる感じで、浜田良郎らと行動を共にしている。
小川美亜
西浦高1年、学校にいくつかあるダンス・サークルの1つ、“COPERNICUS”のメンバー。同じサークルの友井紋乃と野球部の応援でチアガールをやろうと思いつき、篠岡に打診してくる。
  • エピソード第18回「3回戦」時点では、友井紋乃と共に応援団に加わる感じで、浜田良郎らと行動を共にしている。
阿部隆也
西浦高1年。野球部では正捕手。花井、栄口と同級。
エピソード第17回では、友井、小川と篠岡とが話をしているところに通りかかり(いっしょに通りかかるのは、おそらく水谷か?)、三橋用のおにぎりを1個増やして作ってくれ、と依頼するのが初登場。阿部は、対桐青高の2回戦で、3kg体重を落とした三橋の体調管理を、細かく細かく指導しているた。
チームで観戦に行く試合で投げている市原豊(埼玉高2年)を観て、ふとした感じで(このままやっていけば/あのピッチャーくらいには投げられるな)と思い、三橋本人にも、無理なく球速をつけることはできると言いかけるが。三橋の方は、GW合宿で阿部が言っていた「(三橋に)球速はいらない」という言葉を覚えていてそれを持ち出す。(よく覚えてんな)と、思う阿部。(本人が速い球投げてェつーんだから/投げられりゃいいなとは思うよ!)(だけどあいつの“まっすぐ”も9分割のコントロールもなくさせねェ)(慎重に/慎重にいかねェとな!)とも考える。
阿部は、球速の話題で、意味不明な言動をとる三橋にガミガミがなった直後、沖から気が弱い人間は相手が大声出すだけでビビることもある、と指摘され愕然とする。
(ここで阿部が沖の指摘を意外なものと受け止める機微は、物語の先の方で、阿部の父親や、阿部家の様子が描写されると説得力を増すだろう)
  • エピソード第18回「3回戦」で阿部は、岩槻西高対埼玉高の試合観戦から戻った後のミーティングで、埼玉相手の3回戦を「コールドにしてほしい」と言い出し、チームメイトに驚かれる。
    モモカンは埼玉が得点も失点も多いことを指摘して、阿部提案を支持。花井から、埼玉の5番(佐倉大地)はどうするのか、と訊かれると、阿部は敬遠する、と応える。
  • 対埼玉の3回戦がはじまると、1回の表、阿部は打たせて捕るリードで、短時間で埼玉の打者を無失点でスリーアウトに。
田島悠一郎
西浦高1年、野球部のナンバーワン選手で、4番、サード、控え捕手。三橋、泉、浜田と同級。
エピソード第17回では、西浦の球技大会で、同級の三橋と作戦打ち合わせをしている場面が初登場。その作戦とは、サッカーの競技で、三橋を田島専属のアシスト要員のようにするといったもの。
田島は、対桐青戦のバッティングで手首を捻り全治1週間。これを重視したモモカンが3回戦では4番もサードも移すと発表すると「へーきだよ! へーきです〜〜〜っ」と騒ぐが、「ケガ人が一人前に文句言わない!!!」と、アイアンクローでお鉢を掴まれ、黙らされる。結局、3回戦の田島は、打順1番でファーストに回ることに。
岩槻西高対埼玉高の試合観戦のスタジアムで、田島は埼玉1回戦の、9対8で決着した接戦のスコアを空で正確に説明し、部員やモモカンたちを驚かせる。「他のことに使えねーのか」と、阿部。
  • エピソード第18回「3回戦」で田島は、岩槻西高対埼玉高の試合観戦からグラウンドまでランニングで戻った後、汗が気持ちわりい〜と全裸になりかけ、花井を怒らせる。
  • 対埼玉戦、西浦後攻の1回裏、打順1番の田島は、初球セーフティー・バントで一塁に出塁。
三橋廉
西浦高1年、野球部の正投手。田島、泉、浜田と同級。
エピソード第17回では、西浦の球技大会で、同級の田島と作戦打ち合わせをしている場面が初登場。
続くクラス対抗のサッカー競技の場面では、懸命に田島のアシストを。
岩槻西高対埼玉高の試合観戦のスタジアムで、阿部に、このままやっていけば、自然にってわけではないけど無理なく球速もつけれる、と言われた三橋は、埼玉高の2年生投手、市原豊のピッチングをみながら(じゃあ/ムリすれば/もっと……)(……ムリ/しなきゃダメだ/もっともっとがんばんなきゃ)と、思う。
  • 対埼玉戦、2回の表、三橋は佐倉大地を予定通り、敬遠、埼玉側の応援席から派手にヤジられる。
泉孝介
西浦高1年、野球部では外野手。田島、三橋、浜田と同級。
サッカーでも活躍する田島を見て(田島はスーパースターだな)と思い、言われるまま、懸命に田島のアシストをする三橋の様子を見て(なんか/兄を持つ身として泣けるぞ三橋……)と、思う。
浜田良郎
西浦高1年、ただ、1度留年している。田島、三橋、泉と同級。野球部の応援団を作った。
サッカーの試合の後、休憩時間の教室で、野球部が、あと1つ2つ勝てば新聞の取材がくるかも、と言い出す。西浦の初戦は、Bシードの桐青高だったので、西浦チームは、後2つ勝ては県下ベスト16に進める。
モモカン(百枝まりあ)
本名、百枝まりあ。三橋たちが入学した年に、西浦高校に新設された硬式野球部の監督。部員になる田島らが、後につけるニックネームが「モモカン」。 以前、西浦にあった軟式野球部のOG。
球技大会の日の午後、モモカンは部員たちを引率し、埼玉県大会2回戦、岩槻西高対埼玉高の試合観戦に。この試合に勝った方が、3回戦で西浦とあたる。
対桐青戦で手首を捻った田島は全治1週間。3回戦までには完治しないので、モモカンは、田島を1番ファーストに移してのスタメンオーダーを、部員たちに伝える。
  • モモカンは、岩槻西高対埼玉高の球場に、ビデオ撮影のためやって来る花井の母、阿部の母と軽く確認打ち合わせを。その後、花井母に野球キャリアを聞かれ、聞かれるままに応えていく。
    • 小学生の頃は、リトルではなく、地域のスポーツクラブに入り、女子もけっこういた中でサッカーも野球もやっていた。
    • 西浦高の生徒だった頃は、旧軟式野球部でマネージャーをやっていた。
      「顧問の先生は野球したことない人だったし/部員も少なかったんで/ノックも打撃投手も毎日やってたんです」。
    • 「野球したことないって/志賀先生? じゃなくて?」と、花井の母、「ええ/もう転任されて/部は軟式だったしね」「今とは/全然違ったんですよ」と、モモカン。
  • エピソード第18回「3回戦」でモモカンは、岩槻西高対埼玉高の試合観戦から戻った後のミーティングで、阿部が言い出す「コールド狙い」に「いいかもね!」と、賛成。埼玉は得点も多いが失点も多い、こっちが点をやらなければ、そう難しい話でもない、と阿部の提案を支持。
  • 3回戦、試合前のじゃんけんで勝った埼玉が、先攻を選んだのをみて、モモカンは“2試合 延長でせってきてるのに先攻とるか/何か哲学があるのかもしれないけど/おそらくあまりモノを考えてないね!”と、思う。
  • 対埼玉の3回戦、1回の裏直前のモモカンは、チームに「さあ攻めるよ!」「初回は2点以上!!」と、檄を飛ばす。
岩槻西高校
野球部には、毎年60人超の部員がいる県立高校。作中の埼玉県では、ここ10年の間に力をつけてきた。去年の夏大会では県大会の3回戦まで進出。
埼玉高校
野球部員は11人だけ。内、3年生は1人だけで、1、2年生中心のチームになっている。去年の夏大会では1回戦で敗退。
花井母
フルネームは、花井きく江。エピソード第17回では、モモカンに率いられた西浦野球部が、岩槻西高対埼玉高の試合観戦に来ていた球場のスタジアムに阿部母(阿部美佐枝)と共に現れ、モモカンに挨拶してくる。2人は、動きはじめた野球部父母会の活動で、試合のビデオ録画にやって来たのだった。
花井母は高校野球が好きで、息子が小学生の頃から野球をしてたこともあって観戦慣れしている様子。
  • 試合の録画について、軽く確認打ち合わせをしながら、花井の母はモモカンに彼女の野球キャリアを訊く。西浦に前あった軟式野球部ではマネージャーだったという話を聞き、モモカンが部員たちの傍へ戻っていた後、花井母は、(今のは何年前の話なんだろう)と思う。(その頃の部員が今まで一人も現れないのはなんでかしら?/一回部の歴史が途切れているとはいえ/差し入れがてら百枝さんに会いに来そうなもんだけど……/百枝さんのチームメイトは/今どうしているんだろう)(イロイロ聞きたいけどまだ無理だわ〜〜/大会 終わったら飲み会開こっと!)と、あれこれ思う。
阿部母
フルネームは、阿部美佐枝。エピソード第17回で、花井きく江と連れ立って野球場に。動きはじめた野球部父母会の活動で、試合のビデオ録画にやって来たのだった。
阿部母は高校野球が好きで、阿部隆也もその弟も野球をしていることもあって観戦慣れしている様子。
花井梓
西浦野球部主将。中学の野球部ではプルヒッタータイプの「右の強打者」として主に4番を打っていた。
観戦スタジアムで、花井母、阿部母にモモカンが寄って行ったことをきっかけに、部員たちが、それぞれに親たちが県内の球場に行ってるという雑談を交わす。実は父母会では、各地の試合をビデオ録画するため、分担して動いているのだが、ほとんどの部員は知らない様子。花井が、「偶然じゃねェ!」と怒って父母会の話を聞かせると、「なに怒ってんの?」と、水谷。「なんでビデオのこと知らねーの」と疲れた感じの花井に「え……知らねェそんなの」と、泉。「なんで花井は知ってんの? ってカンジ」「はあ? 親が話すだろ」「花井ってさー/親と仲いーよね」「よくねーよ!!」と雑談は続く。
  • エピソード第18回「3回戦」で、花井は、岩槻西高対埼玉高の試合観戦から戻った後のグラウンドで、対埼玉の3回戦に向けてのミーティングを司会。阿部が提案して、モモカンが「いいかもね!」と言った話の流れで、3回戦ではコールドを狙うことに。内心、それって4番の自分がしっかいしなきゃじぇねーの、と焦りながら「おし/あと4日そういう気持ちで練習すっからな!」「コールドやんぞ!!」と、ミーティングを締める。
  • 対埼玉の3回戦の試合前、花井は、ジャンケンで先攻後攻を決めた後、モモカンから「今日 本当にコールドできると思う?」と訊かれる。「え……/イヤ」「で/できる/か/どうかはともかく/狙います」と応える花井だが、モモカンは「私は今 埼玉の監督と主将を見て/“できる”と思った!」と語り、「花井君は今日/ヒーローになるよ!」とハッパをかけられる。
  • 対埼玉戦1回の表、花井は、守備についている間も(ヒーローって)(オレに/打てってことだよな!)と、試合前、モモカンに言われた言葉を意識してしまう。
  • 対埼玉戦1回の裏、花井は、ワンナウトで4番の打席に立つ。モモカンからプレッシャーを与えられ気負っていたので、スクイズのサインに一瞬脱力。気を取り直して、スクイズを成功させ、田島、泉で2点を入れるが、ベンチで田島に「満足してんなよ」と言われる。
西浦高野球部父母会
西浦高野球の父母会は、エピソード11回「夏が始まる」(4巻)で、夏の高校野球埼玉大会開会式に誘い合って出かけた、花井母と三橋母が、相談して呼びかけて作った。
エピソード第17回では、花井母と阿部母が、岩槻西高対埼玉高の試合をビデオ録画するため球場を訪れる様子が描かれ、部員たちの会話で、父母会メンバーが手分けして県大会の試合を録画している様子が語られる。
  • 父母会は、エピソードの第18回「3回戦」から描かれる、対埼玉戦の球場にも応援にやって来る(試合日は、ウィークデイの昼と思われ、お母さん方中心)。
水谷文貴
西浦高1年生の野球部員。
岩槻西高対埼玉高の試合観戦では、客席で花井にあれこれと、おどけた調子で質問し「水谷ウッぜー!」と言われる。「ええっなんでよっ」と不満を漏らすと、泉に「はしゃぎすぎなんだよ」とたしなめられる。少し後のコマでは(ちょっとだけおとなしくしてよー)と黙り込んでいる。
9巻での初登場は、おそらくは西浦の球技大会の日に、一緒に歩いていた阿部が篠岡千代に話しかけた場面かそ思われる。が、今ひとつ定かではない。
市原豊
埼玉高校野球部員。夏大会の時点で2年生、正投手。
変化の大きいスクリューボールを投げる。
  • 外野手からコンバートされたピッチャーで、投手歴は浅い。埼玉対西浦の3回戦、1回の裏一塁に進塁した田島は、投球をみて(やっぱ この人フォーム固まってねェよ/クセどーこーゆー段階じゃねェつーか/投手はじめて日が浅いカンジする−−)と、思う(エピソード第18回「3回戦」)。
佐倉大地
埼玉高校野球部員。夏大会の時点で1年生、正捕手。
1年生としては立派な体格、見た目の印象もさわやか、野球も上手だしマジメ。
しかし「モノスゲアタマワルイ」。これは、同じ野球部の上級生部員たちの一致した見解。
佐倉は、夏大会1回戦では、6-6の打率10割を打ち出していた。対岩槻西高戦でも、延長の10回裏に決勝打を打ち、7対8で埼玉に勝利をもたらす。
(元々「佐倉くんはいい選手だわ」と思っていたモモカンだが、この決勝打には、チームの軸になれる選手、と舌をまく感じか)
  • エピソード第18回「3回戦」で描かれる対西浦戦では、佐倉大地はキャッチャーで打順5番。2回の表2番めの打席で、阿部の予定通りに、敬遠される。
    敬遠され一塁に進塁した時の田島との会話で、中学に野球部が無かったため、中学時代はサッカーをやっていた、と語られる。
沖一利
西浦高1年生。野球部員で控え投手。
岩槻西高対埼玉高の試合を観戦に行ったスタジアムで、沖は阿部に、気が弱い人間は話してる時大きい声だされるとそれだけでビビることもある、と指摘。阿部と三橋が体調管理のことを話してたのを横で聞いてた直後のことだ。この指摘は、阿部にはかなり意外なものだった様子。
小山大樹
埼玉高校野球部員主将。夏大会の時点で唯一の3年生。アダ名は「タイさん」。
夏大会2回戦では、2回の裏途中時点で、“やっぱりうちは二回戦〔ここ〕までかな/最後の夏に1つ勝てたことで/1人で続けてきたオレの部活人生は充分むくわれたよ”などと考え、“おまえのおかげだ/ありがとうな大地……”と、思いは続く。近傍のト書きネームでは“そんな埼玉主将の一人自己満足モードをよそに/試合はこの後大接戦となる”と記されている。純然たるト書きの類が、作中にはかなり少ない『おおきく振りかぶって』では、作者による直接的注釈とも思われるこのト書きは注目される。
  • エピソード第18回「3回戦」で描かれる対西浦戦では、小山大樹はショートで打順4番。2回の表最初の打席は、まっすぐを打ちあげたフライでアウトに。

第18回「3回戦」

埼玉大会3回戦の、埼玉高対西浦高の試合は、西浦にとっては2度めの公式戦になる(初戦の対戦校桐青が、シード高だったため)。まだ1学期の授業がある日におこなわれるため、応援団は応援に行けない(父母会のメンバーは応援に来ている)。
試合前のじゃんけんで勝った埼玉が、先攻を選んだのをみて、モモカンは“2試合 延長でせってきてるのに先攻とるか/何か哲学があるのかもしれないけど/おそらくあまりモノを考えてないね!”と、思う。

浜田良郎
西浦高の生徒で、三橋、田島、泉のクラスメート。実はダブりで1年留年しているし、三橋の幼馴染だった。呼びかけて、西浦野球部の応援団のまとめ役をやっている。
コミック第9巻では、教員室のシガポ(志賀剛司)のところに、野球部の3回戦の応援について相談に行き「……ダメスか」と訊くところが初登場。このコマはエピソード第18回の最初のコマで、次のコマでシガポが「ダメだね」と応える。
シガポ(志賀剛司)
本名、志賀剛司。西浦高の数学教師。三橋たちが入学した年に、西浦に新設された硬式野球部の責任教師(部長教師)。「シガポ」は、部員たちが仲間内で使うあだ名。
コミック第9巻では、西浦で授業がある日に開催される対埼玉の3回戦に応援団が行けないか、教員室まで相談に来ていた浜田に「ダメだね」と応える場面が初登場。
シガは、「もしサボって応援行って/どっかから文句がきて/野球部が悪い言われたら浜田も本意じゃないだろ」と浜田を諭し、「後ろめたいことはナシで行こ!/それは浜田達にとってもいいことだと思うよ!」と指導。去り際の浜田に「桐青戦の応援は100点だったよ!」とも言葉をかける。「みんなも感謝してるよ!/お前のいないトコで終わったりしないって!」とシガポ。
西浦高野球部応援団
浜田良郎が呼びかけた、有志ボランティアの野球部応援団。学校に公認された部活動にはなっていない。
栄口勇人
西浦の1年生で、野球部員。
対埼玉戦の作戦を打ち合わせたミーティングの後、栄口は三橋の強いマウンドへの執着の理由を想像する。中学時代の三橋が、部の内で、透明人間のように徹底的に無視されていたのではないか、という想像だ。“マウンドに立っている間は/自分がそこに確実にいるわけだ”と、想像して、自分の想像に怖くなってしまう栄口。
対埼玉戦では、セカンドで打順は2番。
西浦後攻の1回の裏、送りバントを成功させ、一塁に出ていた田島を二塁に進めさせる。
埼玉高野球部監督
エピソード第18回「3回戦」で、埼玉対西浦の3回戦開始前、両校主将のジャンケンで先攻、後攻を決める場面に初登場。西浦側はモモカンが同席し、埼玉側も監督が同席。名前は作中記されない。モモカンの聞いてるいる話では「監督は野球素人って話」。
三橋母
フルネームは、三橋尚江。西浦の卒業生。
対埼玉戦の3回戦当日、三橋母は、スタジアム客席での花井母との会話で、応援団の浜田の携帯に、実況中継を送るつもりだ、と言う。
3回戦
夏の埼玉大会3回戦、先攻埼玉高対後攻西浦高の試合。
西浦のスタメンは、次のよう。打順1番田島(ファースト)、2番栄口(セカンド)、3番泉(サード)、4番花井(センター)、5番巣山(ショート)、6番阿部(キャッチャー)、7番沖(ライト)、8番水谷(レフト)、9番三橋(ピッチャー)。
(沢村真人)
埼玉高校の野球部員。9巻の第18回登場時は、キャラクター名などは明かされないが、この時点、2年生、西浦との3回戦では一塁手(埼玉野球部も部員数の少ないチームなので、レギュラー定位置かと思われる)。
沢村は、3回戦、1回の表開始直前練習中に、モモカンが西浦ベンチで「初回は2点以上!!」と、チームに気合を入れている声を聞いてしまい“2点以上?”と、眉をひそめる感じ。
泉孝介
西浦の1年生で、野球部員。
対埼玉戦では、サードで打順3番。1回の裏で初級を流し打ち。打球は、ライン上ぎりぎりフェアになって、田島をホームに帰す。泉自身は三塁に進塁。
巣山尚治
西浦の1年生で、野球部員。
対埼玉戦では、ショートで打順5番(花井の次)。1回の裏では凡退。
上村
埼玉高の野球部員。下の名前や学年は作中では不明。ただ、ベンチに戻ったとき、小山大樹から「リョー」と呼ばれている。
対西浦戦では、打順6番。2回の裏、ワンナウトで3番めの打席に立ったときは、シュートを打たされる。敬遠で進塁していた佐倉大地と、ダブルプレーに捕られる。
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